婚活オジサンの独り言

気ままに駄文を書いています。

アニメ「ゴールデンカムイ」3期8話(32話)人斬り 感想

大まかな内容

鶴見中尉はある程度刺青人皮が揃ったことで暗号解読の着手に乗り出そうとしていた。

また、杉元はアシリパが刺青人皮を書き写している時の会話を思い出しながら気がついたことがあるが鯉登少尉等には教えないと伝える。

更に場面は変わり、釧路にいる土方歳三一行は、網走監獄の隠し部屋に犬童典獄が置いてあった土井新蔵が持っていたという物の正体を知るために聞き込みをしていた。

そこに蝗害で村が被害にあった(姉畑支遁〜ラッコ鍋のあたりのこと)ため、ヤン衆として出稼ぎにシシャモを取りに来ていたキラウシに牛山が偶然寝床を聞く。そしてキラウシに物の正体が根室にしかいないエトピリカのくちばし部分であると聞き、土井新蔵は根室にいると考えた土方は案内を頼む。

永倉は牛山に気を引き締めて行くように忠告する。牛山は土方永倉より年上ではとたかをくくるが、土方は土井新蔵は偽名で幕末に京都で暗殺を行っていた人斬り用一郎であると正体を伝える。

根室では、和人でありながらアイヌの服(アツシ、アットゥシ、アッシなどと呼ぶ)を着ている老人がいた。他の人物にぶつかって倒れたり、海に入って入水自殺と思われるような行動を取ったりしていた。そこに、元幕府の用心の遺族から用一郎の暗殺の依頼を受けた刺客達がやってきていた。

用一郎は明治に入って根室に流れ着き、コタンの女性と結婚したが和人を殺めて網走監獄にいたが嫁の死期が近いと知り脱走。先立たれてからコタンを出て港で働いている。しかし、用一郎は港を出ていくように言われた時に刺客達が乗り込んで来る。

刺客が用一郎につめより刀を抜いた時に刃の光を見て感覚が幕末の頃の用一郎自身に戻り刀と斧を奪い取り刺客達を倒そうとした時に土方歳三が乗り込んでくる。それを見た用一郎は土方歳三を幕末当時の姿で認識し、挑発をする。

すきを突いて刺客を切り倒し外に出ていく用一郎。それを見ていた土方歳三は用一郎に死期が近いと察したのか、ゆっくりと後を追う。用一郎は先生と慕っていた人の幻影を見ながら切腹や死ぬことが嫌だと泣き崩れる。

そこに土方歳三が現れ剣での一騎打ちを行い、用一郎は敗れる。土方歳三介錯をして楽にしてやろうとするが、用一郎は楽に死ぬのは申し訳ないとして拒み、土方歳三から犬童が持っていた用一郎のエトピリカのくちばしを返す。そして用一郎は妻の幻影を見ながらこときれる。

場面は変わりアシリパ達は漁をしていた。尾形が撃ったのはクジラ(本当は白イルカかな?)を食料にするのにアシリパは杉元が持っていたオソマ(うんこという意味であるらしいが、物は味噌で、味噌の文化が無いアシリパにはそう見えている)で味付けをして喜んで食べる。食べ終わった頃に尾形が「ヒンナ」と言ったことで歓喜するが、白石とキロランケは興味を示さずにどうやってソフィアと会うのかという話になる。方法としては灯台に残されている爆薬(日本軍が来た時に爆破するようにと渡されたもの)を手に入れること、後もう1つを待つということで終了。

 

感想

原作でも人気が高く、期待されていた人斬り用一郎のエピソード。

人斬り以蔵こと岡田以蔵がモデルとされている。

奥さんに先立たれ、おねしょなど認知症と思われる行動が出だし、「死に際がわからなくなる前に」と海に入ったりする。何故か用一郎を気にかけ何かと面倒を見るヤン衆の男が被害に巻き込まれ無くてよかった。

刺客が来てからの原作では「ギラッギラ」と過去の幻覚を見る演出が良かった。認知症の人が昔のことをよく覚えていたりするそれに近いのだろうか?偶然、You Tube認知症で老人ホームにいる元バレリーナ白鳥の湖を聞いたら踊ったがその後まもなく息を引き取ったという動画を見ていたのでそれを思い出した。

用一郎が土方歳三を見て「今日は一人か?」と挑発するがこれも幻覚なのであろう。それで一瞬土方歳三は表情を変えるがこれは挑発捉えていたのだろうか?それとも用一郎の死期が近いことを悟ったのであろうか?その後に牛山が「仲間に入れるか?」というと「あいつはもう…」と断っている。

用一郎が捕縛され先生に尻尾切りにされ裏切り者、切腹はいやだ、こんな死に方は嫌だと幻覚を見ながら泣く部分はとてもつらい。

汚れ仕事をさんざんし、尻尾切りとされ傷つき、根室に流れ着き奥さんと知り合ったことでアイヌの意味である「人間」として穏やかな生活があったのであろう。

それに反し、土方歳三は幕末で時間が止まっていると用一郎は評す。

奥さんの幻影が現れたことで用一郎の目の光が失われ、用一郎は事切れ、用一郎と奥さんかのようなつがいのエトピリカが飛んでいく。それを見ながら「俺はまだ走れる。そうだろ?ガムシン」と永倉に同意を求めるが、永倉は何も答えなかった。永倉は以前死に場所を探しているような土方歳三を案じていたが、その時何を思っていたのであろうか?

 用一郎の背負った業や人として生き、かつての敵に切られて最後を迎えるというところはどことなく池波正太郎原作の時代劇を見ている様だった。